行きすぎた円高是正を

朝日新聞 2003.04.09
イラク戦争の影響をのぞいても明るい材料は少ない。米国では雇用者数の減少などに見られるように、個人消費が大きく伸びて経済を支える状況ではない。欧州ではドイツが景気後退間近だし、フランスも息切れし始めた。もちろん日本にも大きく改善する余地はない。楽観的なシナリオが描けないなかで、市場を安定させるだだけの政策対応ができるかどうか、問われている。
日本は、G7の場を能動的に使い自ら提案していくべきだ。正攻法は、行きすぎた円高を是正することだ。

 

企業のバランスシートが傷む問題が起きてから立ち直った国は、ほとんどが通貨を下げている。90年代の日本にだけそれがなかったのが問題なのだ。円高是正は最終的には日本の内需を拡大し、輸入拡大にもつながる。隣国の犠牲の上に繁栄する「近隣窮乏策」でないことを説明することが必要だ。